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【ちょこっと情報】令和5年『高年齢者雇用状況報告』の集計結果が公表されました

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厚生労働省HPにより、令和5年「高年齢者雇用状況等報告」(6月1日現在)の集計結果が公表されています。

今回の記事では、主な集計結果と、高年齢者雇用状況報告の概要についてご紹介をさせていただきます。

ちょこシャロくん
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毎年雇用状況報告書の提出が必要って話は聞いたことがあるかなぁ〜

『高年齢者雇用状況報告』

高年齢者雇用状況報告の概要

この報告は、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高年齢者雇用安定法)に定められた65歳までの雇用確保措置及び70歳までの就業確保措置の実施状況等を把握するとともに、必要に応じ各企業に対し公共職業安定所等による助言・指導等を行うための基本情報として用いられます。

事業主は、『高年齢者雇用状況等報告書』により、毎年6月1日現在の高年齢者の雇用状況等を、管轄の公共職業安定所を経由して厚生労働大臣に報告することが義務付けられています。

高年齢者雇用状況等報告書は、以下のような書式です。厚生労働省HPよりダウンロードしていただけます。

今回の集計結果

今回の集計結果は、従業員21人以上の企業237,006社からの報告に基づき、令和5年6月1日時点での企業における実施状況等をまとめたものです。

主な集計結果
  • 65歳以上定年企業(定年制の廃止企業を含む)は30.8%[1.4ポイント増加]
  • 66歳以上まで働ける制度のある企業は43.3%[2.6ポイント増加]
  • 70歳以上まで働ける制度のある企業は41.6%[2.5ポイント増加]
ちょこシャロくん
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いずれも増加傾向にあるね!

集計結果の詳細は、以下の発表資料(厚生労働省HPより)をご確認ください。

上記資料のうち、数値が一部訂正されています。訂正に関する資料は、こちら(厚生労働省HPより)をご確認ください。

『高年齢者雇用安定法』の義務・努力義務

前述の通り、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高年齢者雇用安定法)では、65歳までの雇用確保措置及び70歳までの就業機会確保措置が定められています。

措置の内容

65歳までの雇用確保措置(義務)

65歳までの雇用確保措置として、以下いずれかを実施しなければなりません。

  • 定年制の廃止
  • 定年の引上げ
  • 継続雇用制度の導入

70歳までの就業確保措置(努力義務)

加えて、70歳までの就業確保措置として、以下いずれかを実施するよう努めなければなりません。

  • 定年制の廃止
  • 定年の引上げ
  • 継続雇用制度の導入
  • 業務委託契約を締結する制度の導入
  • 社会貢献事業に従事できる制度の導入

根拠条文

それぞれ、実際の条文でも確認しておきましょう。

65歳までの雇用確保措置は、高年齢者雇用安定法第9条に以下の通り規定されています。

高年齢者等の雇用の安定等に関する法律第9条第1項(抜粋)

 定年(六十五歳未満のものに限る。以下この条において同じ。)の定めをしている事業主は、その雇用する高年齢者の六十五歳までの安定した雇用を確保するため、次の各号に掲げる措置(以下「高年齢者雇用確保措置」という。)のいずれかを講じなければならない。

 当該定年の引上げ

 継続雇用制度(現に雇用している高年齢者が希望するときは、当該高年齢者をその定年後も引き続いて雇用する制度をいう。以下同じ。)の導入

 当該定年の定めの廃止

70歳までの就業確保措置は、高年齢者雇用安定法第10条の2に以下の通り規定されています。

高年齢者等の雇用の安定等に関する法律第10条の2第1項〜第3項(抜粋)

1 定年(六十五歳以上七十歳未満のものに限る。以下この条において同じ。)の定めをしている事業主又は継続雇用制度(高年齢者を七十歳以上まで引き続いて雇用する制度を除く。以下この項において同じ。)を導入している事業主は、その雇用する高年齢者(第九条第二項の契約に基づき、当該事業主と当該契約を締結した特殊関係事業主に現に雇用されている者を含み、厚生労働省令で定める者を除く。以下この条において同じ。)について、次に掲げる措置を講ずることにより、六十五歳から七十歳までの安定した雇用を確保するよう努めなければならない。ただし、当該事業主が、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合の、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の同意を厚生労働省令で定めるところにより得た創業支援等措置を講ずることにより、その雇用する高年齢者について、定年後等(定年後又は継続雇用制度の対象となる年齢の上限に達した後をいう。以下この条において同じ。)又は第二号の六十五歳以上継続雇用制度の対象となる年齢の上限に達した後七十歳までの間の就業を確保する場合は、この限りでない。

 当該定年の引上げ

 六十五歳以上継続雇用制度(その雇用する高年齢者が希望するときは、当該高年齢者をその定年後等も引き続いて雇用する制度をいう。以下この条及び第五十二条第一項において同じ。)の導入

 当該定年の定めの廃止

 前項の創業支援等措置は、次に掲げる措置をいう。

 その雇用する高年齢者が希望するときは、当該高年齢者が新たに事業を開始する場合(厚生労働省令で定める場合を含む。)に、事業主が、当該事業を開始する当該高年齢者(厚生労働省令で定める者を含む。以下この号において「創業高年齢者等」という。)との間で、当該事業に係る委託契約その他の契約(労働契約を除き、当該委託契約その他の契約に基づき当該事業主が当該事業を開始する当該創業高年齢者等に金銭を支払うものに限る。)を締結し、当該契約に基づき当該高年齢者の就業を確保する措置

 その雇用する高年齢者が希望するときは、次に掲げる事業(ロ又はハの事業については、事業主と当該事業を実施する者との間で、当該事業を実施する者が当該高年齢者に対して当該事業に従事する機会を提供することを約する契約を締結したものに限る。)について、当該事業を実施する者が、当該高年齢者との間で、当該事業に係る委託契約その他の契約(労働契約を除き、当該委託契約その他の契約に基づき当該事業を実施する者が当該高年齢者に金銭を支払うものに限る。)を締結し、当該契約に基づき当該高年齢者の就業を確保する措置(前号に掲げる措置に該当するものを除く。)

 当該事業主が実施する社会貢献事業(社会貢献活動その他不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与することを目的とする事業をいう。以下この号において同じ。)

 法人その他の団体が当該事業主から委託を受けて実施する社会貢献事業

 法人その他の団体が実施する社会貢献事業であつて、当該事業主が当該社会貢献事業の円滑な実施に必要な資金の提供その他の援助を行つているもの

 六十五歳以上継続雇用制度には、事業主が、他の事業主との間で、当該事業主の雇用する高年齢者であつてその定年後等に雇用されることを希望するものをその定年後等に当該他の事業主が引き続いて雇用することを約する契約を締結し、当該契約に基づき当該高年齢者の雇用を確保する制度が含まれるものとする。

ちなみに、高年齢者雇用状況報告については、高年齢者雇用安定法第52条及び施行規則第33常に、以下の通り規定されています。

高年齢者等の雇用の安定等に関する法律第52条(抜粋)

1 事業主は、毎年一回、厚生労働省令で定めるところにより、定年、継続雇用制度、六十五歳以上継続雇用制度及び創業支援等措置の状況その他高年齢者の就業の機会の確保に関する状況を厚生労働大臣に報告しなければならない。

 厚生労働大臣は、前項の毎年一回の報告のほか、この法律を施行するために必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、事業主に対し、同項に規定する状況について必要な事項の報告を求めることができる。

ちょこシャロくん
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上記「厚生労働省令」とは、次の「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律施行規則」のことを指します。

高年齢者等の雇用の安定等に関する法律施行規則第33条(抜粋)

1 事業主は、毎年、六月一日現在における定年、継続雇用制度、六十五歳以上継続雇用制度及び創業支援等措置の状況その他高年齢者の就業の機会の確保に関する状況を翌月十五日までに高年齢者雇用状況等報告書(様式第二号)により、その主たる事務所の所在地を管轄する公共職業安定所(次条第二項において「管轄公共職業安定所」という。)の長を経由して厚生労働大臣に報告しなければならない。

 厚生労働大臣は、法第五十二条第二項の規定により、事業主から同条第一項に規定する状況について必要な事項の報告を求めるときは、当該報告すべき事項を書面により通知するものとする。

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話が少し変わりますが、令和7年4月には、雇用保険の高年齢雇用継続給付の支給額が減額されることが予定されています。(60歳以後の賃金が61%未満の場合に最大15%支給であったものが、60歳以後の賃金が64%未満の場合に最大10%支給となります。)

それに伴い、定年再雇用時の労働条件変更(賃金減額幅の目安等)についても、各企業の対応に注目したいところです。社会保険労務士としても、法改正による企業対応の動向、統計や実績に基づく他社事例の案内等ができるといいですね。

さて、社会保険労務士試験において、今回の集計結果や高年齢者雇用状況の傾向については、一般常識科目対策として是非一度確認しておきたい内容です。

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まとめ

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

今回は「高年齢者雇用状況報告の集計結果」について、ご紹介をさせていただきました。

高年齢者の雇用状況、定年廃止や継続雇用制度導入割合等の傾向について、実務に携わる方の情報整理だけでなく、社労士試験合格を目指している方の後押しができればいいなと思います。

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