【ちょこっと情報】カスタマーハラスメントへの対策について

カスタマーハラスメント,カスハラ
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令和5年度厚生労働省「職場のハラスメントに関する実態調査」によると、従業員から会社にあった「ハラスメントに関する相談内容」のうち、パワハラ、セクハラに次いでカスタマーハラスメント(カスハラ)の割合が高くなっています。今回は、カスハラ対策について、その概要と具体的な取組方法を紹介します。

ちょこシャロくん
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近所のスーパーのレジ横にも、厚生労働省HPからダウンロードできる『カスハラ防止ポスター』が貼られていたよ

どんな行為がハラスメントに該当するか確認して、自分自身も気をつけようね!

カスタマーハラスメントとは

カスハラの定義

カスハラとは、顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上相当でないものであって、当該手段・態様により、従業員の就業環境が害されるものをいいます。

ちょこシャロくん
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この「顧客等」には、実際の顧客だけでなく、今後サービス利用や商品購入をする可能性がある潜在的な顧客を含みます。

カスハラの該当行為と対応例

前述の調査によると、過去3年間に顧客等からの著しい迷惑行為の内容は、次のものが多いです。

  • 長時間の拘束や同じ内容を繰り返すクレーム(過度なもの)
  • 名誉棄損・侮辱・ひどい暴言

具体的なカスハラに該当する行為は、主に次の9類型が挙げられます。

時間拘束型

正当な理由なく従業員を長時間拘束する行為をいいます。居座り、長時間の電話等が該当します。

対応例

当初から対応上限時間を決め、顧客に対して「本日はこれ以上の対応はできません」などと、対応できない理由とともに対応が不可能であることを明確に伝える。改めて話を聞く場を提案(リスケ)する。役職者等の上位者に代わる。

リピート型

正当な理由なく何度も電話や来店を繰り返す行為をいいます。

対応例

入電や来店の意図を明らかにし、対応する時間を短くする。同様の問い合わせ内容を繰り返す場合、丁寧にその旨を伝える。

暴言型

大声や侮辱的な言葉遣いで従業員を威圧する行為をいいます。「バカ野郎」等の侮辱的な言葉等がこれに該当します。

対応例

暴言によって冷静に応対できない旨を伝える。落ち着いてもらうために、対応者、対応時間、対応場所を変える。

暴力型

暴力を振るう、または物を乱暴に扱う行為をいいます。

対応例

暴力行為の場合はその場から離れ、警備会社への連絡や警察に相談する。来店時の暴行であればお帰りいただくことを伝え、入店を拒否する。

威嚇・脅迫型

暴言より強く「殺す」「殴る」等の脅しの言葉を使う行為をいいます。

対応例

「怖くて、冷静にお話することができません」と怖い感情をストレートに伝える。対応者を変える。状況によっては警察に相談する。

権威型

土下座を強要する等、一方的に権威を振りかざす行為をいいます。特別扱いや、必要ないにもかかわらず文書による詫び状を要求してきたりといった行為が該当します。

対応例

話を聞く姿勢を示し、特別な対応はできないことを丁寧にはっきりと伝える。

店舗外拘束型

自宅や特定の場所に呼びつけて長時間拘束する行為をいいます。

対応例

顧客の会社には行かない。また自宅の場合はなるべく玄関先で話を伺う。改めて話を聞く場を提案する。

SNS等インターネット上での誹謗中傷型

インターネット上に従業員の画像や動画を掲載し、誹謗中傷する行為をいいます。

対応例

基本的には静観し、必要に応じて警察に相談する。SNS上で返答するか否かは、会社に判断してもらう。

セクシュアルハラスメント型

性的な言動により身体的または精神的に苦痛を与える行為をいいます。

対応例

記録、録音、録画等により証拠につながるものを残す。対応者を変える。出入り禁止にする等防御策を取る。顧客が取引先の場合は会社として、事実確認、再発防止等の協力依頼を行う。

会社による対策

カスハラは会社や従業員、他の顧客へ影響を与える可能性があることから、会社においては、予めカスハラを想定した準備、実際に起こった際の対応を次のように検討しておくことが望ましいです。

事前の準備

事業主の基本方針・基本姿勢の明確化と従業員への周知・啓発

会社として、職場におけるカスハラをなくす方針を明確にし、トップ自ら発信する。カスハラの内容、従業員を守ること、会社として毅然とした対応をすること等を従業員に周知しておくことで、相談しやすい社内環境を整備する。

相談対応体制の整備

従業員が気軽に相談できるよう相談対応者を周知しておく。

また、専門家による外部相談窓口を利用する。

対応方法、手順の策定

実際にカスハラがあった際に備えて、初期対応の方法や手順を明確にし、従業員に周知しておく。

現場レベルで事実確認もせずにクレームに対して非を認めるような発言はせず、まずは限定的謝罪「ご不快な思いをおかけし申し訳ございません」と言う等を心がけます。

社内対応ルールの従業員等への教育・研修

定期的な研修を通じて従業員への教育を行う。

正社員に限らず、中途入社の従業員や顧客対応を行うアルバイトにも研修や説明を行う。

実際に起こった際の対応

事実関係の正確な確認と事案への対応

安易なカスハラ認定や個人的な状況判断はせず、事実や証拠等に基づいて複数名で確認する。

従業員への配慮の措置

従業員の現場での安全確保や従業員の精神面への配慮を行う。著しい迷惑行為に対しては、「現場から離れてもらう」等の判断を現場に任せず組織で行う。

再発防止のための取組

事案を従業員へ周知する。ケーススタディとして従業員研修を実施する。

カスハラ対策におけるクレームの初期対応は、対応者が現場対応者か、電話受付対応者か、対応者の立場(役職者か否か)等によっても異なります。各シーンに応じた対応ポイントを予め社内で検討・共有しておくと良いでしょう。

パンフレット

カスハラに関する詳細は厚生労働省のHPに掲載されている「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」をご確認ください。

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おすすめの勉強方法

実務において、ハラスメント関連の相談をいただく機会は多く、色々なハラスメントが注目されています。実務寄りの問題が増えていると感じる試験の中で、一般常識科目対策として傾向は一度目を通しておくことをお勧めします。

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まとめ

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

今回は、カスタマーハラスメントへの対策について、ご紹介をさせていただきました。

実務に携わる方の情報整理だけでなく、社労士試験合格を目指している方の後押し(実務イメージ)ができればいいなと思います。

ちょこシャロくん
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社会保険労務士(有資格者)
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