一問一答

心理的負荷による精神障害の認定基準②

労災保険法,心理的負荷,精神障害,認定基準
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問題

社労士試験の過去問から抜粋した一問一答形式の問題です。

正しければ「○」、誤りであれば「×」で解答を考えてみてください。

平成30年問1C

認定基準(厚生労働省労働基準局長通知「心理的負荷による精神障害の認定基準について」)においては、業務による心理的負荷の強度の判断に当たっては、精神障害発病前おおむね6か月の間に、対象疾病の発病に関与したと考えられる業務によるどのような出来事があり、また、その後の状況がどのようなものであったのかを具体的に把握し、それらによる心理的負荷の強度はどの程度であるかについて、「業務による心理的負荷評価表」を指標として「強」、「弱」の二段階に区分することとされている。

解答・解説

Q
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正解 → 「×」

誤った記述です。

心理的負荷の評価は「強」「中」「弱」の三段階評価です。そのほかの記述は正しいです。

ちなみに、心理的負荷による精神障害の労災認定基準は、令和5年9月にも改正施行されています。次の記事を合わせてご確認ください。

【令和5年9月】心理的負荷による精神障害の労災認定基準の改正
【令和5年9月】心理的負荷による精神障害の労災認定基準の改正

厚生労働省労働基準局通知「心理的負荷による精神障害の認定基準について」により、精神障害の認定要件については、以下のように示されています。

精神障害の認定要件

以下の全ての要件を満たす対象疾病を、業務上の疾病(労災)として認定します。

  • 対象疾病を発病していること。
  • 対象疾病の発病前おおむね6か月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること。
  • 業務以外の心理的負荷及び個体側要因により対象疾病を発病したとは認められないこと。

「対象疾病の発病前おおむね6か月」については、

「発病前6か月以内の期間にも継続しているときは、開始時からのすべての行為を評価の対象とする」とされています。

つまり、いじめやセクシュアルハラスメントのように、出来事が繰り返されるものについては、発病の6か月よりも前から開始され継続しているのであれば、6か月間に限らず開始時からのすべての行為が評価対象となるということです。

「業務による強い心理的負荷」については、

業務による心理的負荷評価表(※「心理的負荷による精神障害の認定基準について」の14〜17ページ参照)による「強・中・弱」の3段階評価のうち、「強」と評価されるものを指します。

「業務以外の心理的負荷及び個体側要因」については、

業務以外の心理的負荷評価表(※「心理的負荷による精神障害の認定基準について」の18ページ参照)による「Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」の3段階評価により、それらの内容等を詳細に調査の上、それ(業務以外の心理的負荷)が発病の原因であると判断することの「医学的な妥当性を慎重に検討」して要件を満たすか判断します。

ちょこシャロくん
ちょこシャロくん

「心理的負荷による精神障害の認定基準」「脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準」は、いずれも出題頻度の高い論点です!

過去問でしっかりと押さえておこう!

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心理的負荷による精神障害の認定基準について(R5.9.1基発0901第2号)(抜粋)

第4 認定要件の具体的判断

2 業務による心理的負荷の強度の判断

 上記第2の認定要件のうち、2の「対象疾病の発病前おおむね6か月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること」とは、対象疾病の発病前おおむね6か月の間に業務による出来事があり、当該出来事及びその後の状況による心理的負荷が、客観的に対象疾病を発病させるおそれのある強い心理的負荷であると認められることをいう。

 このため、業務による心理的負荷の強度の判断に当たっては、精神障害発病前おおむね6か月の間に、対象疾病の発病に関与したと考えられる業務によるどのような出来事があり、また、その後の状況がどのようなものであったのかを具体的に把握し、それらによる心理的負荷の強度はどの程度であるかについて、別表1「業務による心理的負荷評価表」(以下「別表1」という。)を指標として「強」、「中」、「弱」の三段階に区分する。

 なお、別表1においては、業務による強い心理的負荷が認められるものを心理的負荷の総合評価が「強」と表記し、業務による強い心理的負荷が認められないものを「中」又は「弱」と表記している。「弱」は日常的に経験するものであって一般的に弱い心理的負荷しか認められないもの、「中」は経験の頻度は様々であって「弱」よりは心理的負荷があるものの強い心理的負荷とは認められないものをいう。

認定基準に関する詳細は、次の資料『心理的負荷による精神障害の認定基準の改正について(R5.9.1基発0901第2号)』をご確認ください。

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H23.12.26基発1226第1号、R2.5.29基発0529第1号、R2.8.21基発0821第4号、R5.9.1基発0901第2号

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社会保険労務士(有資格者)
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