【独学勉強法】独学で勉強を始めるにあたっての注意点から科目別学習ポイントまでご紹介します!
この記事では、社労士試験に独学で挑戦する方へ向けて、以下の疑問にお答えします。
- 少し不安だけど、独学でも大丈夫?
- テキスト選びはどうしたらいい?
- 試験当日までのスケジュールは?どう学習を進めればいいの?
- 科目ごとの学習ポイントはあるの?どこに力を入れて勉強すればいいの?
私は、ほぼ独学で6回も受験をして合格しました。試行錯誤の末、自分にあった学習スタイルやスケジュールを確立しました!
これから学習する方は、この記事を読んで是非一発合格しちゃってください(笑)
科目ごとに出題傾向があるから、それを理解しているだけでも勉強効率が良くなります!科目別学習ポイントも解説していくよ!
合格体験記について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
独学のポイント
独学でも大丈夫?
もともと私は理系学部にいて、法律の知識ゼロでした。『独学』で勉強を開始して約1年ほどで、『総合点の合格基準点を超える』までになりました。なので、安心してください。
ただし、合格率6〜7%の社労士試験のうち、合格者の20%が独学者と言われています。つまり、独学者の合格率は1%前後となりますので、効率よく勉強するか、かなりのやる気が必要です。
また「独学・通信・通学、どの方法がオススメ?」という疑問については、以下の記事をご覧ください。
独学の注意点やポイントって?
やる気と勉強時間の確保
まず、先ほどもお伝えしたように、合格率6〜7%の社労士試験のうち、合格者の20%が独学者と言われています。つまり、独学者の合格率は1%前後となりますので、効率よく勉強するか、かなりのやる気が必要です。
目安として、1日3時間の勉強を約1年間継続することになります。まとまった勉強時間が確保できる方は良いですが、仕事をしながら勉強をする方、家事育児をしながら勉強をする方がほとんどだと思います。
そんな中で「1日3時間」も勉強時間を確保するのはかなり大変ですよね。まずは実現可能な目標とスケジュールを決めて、コツコツ取り組むようにしましょう。独学はスケジュールが肝です。
でも、勉強内容は楽しいのでどんどん時間が過ぎていきます!安心して取り組んでください(^^)
まずは、1年半くらいかけてゆっくりやるのか、1年以内の短期合格を目指すのか、目標とする試験日を設定しよう!
モチベーション維持
勉強期間が長期になると『モチベーションの低下』が問題となります。
独学の合格率が1%程度というお話をさせていただきました通り、独学での一発合格は厳しいものと言えます。
2度3度、多い方では10回以上受験をしても合格できない方もいらっしゃいます。ちなみに私は6回目で合格しました。
- なぜ社労士試験に合格したいのかを明確にする
- 合格後の自分を想像する
- 短期的・定期的にご褒美を設定する
- 自分なりの勉強習慣を身につける
- 「一発合格できたら良いな」ではなく「一発合格してやる!」という強い意志を持つ
など、モチベーションが維持できる自分なりの方法を準備しておくと良いと思います。
特に、一度不合格となったときに再度モチベーションを高めるのは本当に大変です。私は何度も苦しみました(笑)詳しくは合格体験記で書いていますので、是非ご覧ください。
白書・統計対策もしっかりと
独学者が勉強をしていて、壁にぶち当たるとすれば「一般常識の問題が意味不明で、対策もどうしていいか分からない」という点です。
これに関しては、市販の「白書・統計対策テキスト」を別途購入して対策をするべきです。
また、予備校でも『白書統計対策のみのパック』を通信講座(テキスト発送と数時間分の解説動画配信)で行っていることもあるので、それを使ってしまう方が効率よく手っ取り早いです。
参考書・問題集選びはどうすべき?
できるだけ少なくする
学習に使用する参考書や問題集は『できるだけ少なく』してください。
- 情報が分散してしまい、知識として定着しないかもしれない
- 費用を抑えるために独学にしたのに、無駄な出費となる
- 結局通信の方が安かったでは勿体無い
- 参考書を買った時だけ満足してしまう
問題を解いていると「参考書で見た気がするな〜」ということがあります。問題演習であやふやな部分について、知識定着のために参考書の解説で周辺知識も身につけていくことが「正しい勉強方法」だと思います。
「参考書で見た気がするな〜」ですぐ該当箇所を見つける習慣ができれば、頭の中の知識の引き出しも「参考書の目次に沿って整理されている」状態になります。
本試験でも、「あ、この問題は〇〇法の△△制度のことを聞いているから、▽▽が論点だ!」と整理された知識をすぐに引っ張り出してこれます。社労士試験は時間との勝負ですので、1つの問題に考え込んだり、「なんだっけ〜、確か〜」なんて時間はそんなにありません。
「どの参考書で見たんだっけ?」と複数の参考書をパラパラとめくって該当箇所を探す時間は、勉強時間でもなんでもないので、本当に無駄です。
あと、参考書を複数持ち歩くのは重たくて嫌ですよね(笑)
自分にあったものを選ぶ
参考書は「これと決めた1冊」を試験当日までずっと使います。
様々なポイントから、自分にあった1冊を見つけましょう。
- 図表やイラストが用いられているか
- カラーの使い方が自分の好みにマッチするか
- テキスト・問題集・過去問等が「シリーズ展開」されているか
- 法改正に対応しているか
テキストと過去問がシリーズ化されていれば、問題に「テキスト○ページ」というように、参照ページ数が書いてあります。これにより、分からない問題のテキスト該当箇所を探す手間が省けるので、大幅な時間短縮になります。
図表イラストやカラー、余白の有無など、自分の好みにマッチしたものを選ぼう!
オススメの独学テキスト・問題集については、以下の記事でたくさん紹介しています。
最新の情報に注意する
市販の参考書は、毎年10月ごろから最新年度対応版が発売されます。そこから試験範囲に含まれる法改正があれば、順次インターネットで「法改正情報」が公開されます。
なので、通信や通学ではなくても、安心して市販の独学テキストを利用できます。
最近では、参考書の裏表紙とか、表紙をめくった見返しとかに「QRコード」がついていて、すぐに法改正情報を確認することができるものも多いよ!
また、最近では「メルカリ」などで型落ちテキストが安く売られています。そこで「1年前のものを使っても大丈夫?」という疑問を持たれる方も多いです。
社労士試験は「法改正の多い試験」です。できるだけ試験を受ける年度版のもの(最新版)を利用するべきです。ただし、1〜2年度前のものでも、法改正情報さえ追えていれば、そのまま使っても問題ないです。
スケジュールはどう組む?
1日3時間を1年間という一般的なスケジュールを組むのであれば、「9月」には勉強を開始する必要が出てきます。
このように、まずはざっくりと全体的なイメージを固めます。
いきなり「この科目を○時間やって〜、理解したら次はこの科目を○日で完璧にして〜」などの予定を立てると失敗します。最初から週ごと日ごとの予定を立てても守れません。
- ざっくりと試験日までの全体スケジュールを大まかに考えておく
- いきなり細かい予定は立てない
- 実現可能なスケジュールにする
- 週1日程度は予備日としてゆとりを持たせることで、心にもゆとりが生まれます
こんな感じのことに注意して決めていくと良いでしょう。
勉強していくうちに、「この科目は苦手だからもう少し時間をかけて理解していこう」とか「想定より問題演習・テキスト読み込みのペースが早く進められそうだから、来週までにここまでやっちゃうか」とか、自然と調整できるようになります。
スケジュール通りこなしていくことが継続的なモチベーション維持に繋がるという人も多いね!
一方で、スケジュール通りにできなくて勝手に挫折したりモチベーション低下したりという悪循環に陥る人もいるから、実現可能なスケジュールになっているか注意してね!
オススメの独学勉強法
最初の1週は『読み飛ばす』
最初から細かいところまで理解しようと思っても、正直無理です。
まずは全体像の把握から行います。テキスト1週目の読みは「ほぼ読書」です。分からないところがあっても読み飛ばします。躓いたり立ち止まったりせず、走り抜けましょう。
全科目読み終えたら、科目別に過去問演習をします。ここでようやく『理解』のフェーズです。
ここでは科目ごとにじっくり時間をかけて理解していくことになります。
ただし、時間のかけ過ぎには注意です。3週4週と何度も繰り返し行っていくことで、分からなかった部分がふとした時に自分の中に落とし込めることがあります。
「1度考えて分からない部分は、理解のタイミングを次の週に回そう」という軽い気持ちで大丈夫!
過去問・テキストをひたすら
テキスト流し読み1週目と科目別過去問演習1週目が終わったら、いよいよ過去問周回イベントの開催です(笑)
通常、法改正・白書統計対策が5月前後発売、市販模試が5月頃発売、会場模試が6月〜8月頃実施となるので、それまではひたすら過去問を解いてテキストを読んでを繰り返します。
過去問理解とテキスト内容理解で基礎を固めます。
あとは法改正情報・白書統計対策、初見の問題対策、選択式科目別基準点割れ(足切り)対策を行っていくことになります。
購入すべきオススメ参考書やオススメ問題集については、以下の記事をご覧ください。
模試を受けるべし!
- 本番のイメージトレーニングができる
- 受験者のうち、自分のレベルが数値(偏差値)で分かる
- モチベーション維持や勉強習慣の定着に繋がる
- 初見の問題や予備校とっておきの独自問題を解ける
本番のイメトレに最適
社労士試験は、午前80分間、午後210分間と、かなりの長期戦です。ペース配分や自分の得意な回答順(年金科目から先に解くなど)の練習をすることが重要だと思います。
各予備校が2回くらい会場受験模試を実施しているので、それを受けてみることをお勧めします。会場で他の受験生がいる緊張感、ペース配分等の練習だけでなく、解説動画を見て学習することもできるので、かなりお勧めです。
模試の会場受験は、その予備校の通学・通信の受講生が多いので、比較的レベルが高くなります。なので、結果や順位・偏差値はそんなに気にせず『復習・理解』を目的にしよう!
モチベーション維持にも効果あり
私は、市販の模試をたくさん買って、解いて解説を読み込んでを繰り返していました。具体的には、平日日中は仕事でしたので、試験前最後の数週間は、以下のようなルーティーンで勉強をしていました。
- 日曜に本番と同じ時間を測って模試を解く(その日は疲れてしまうので、解答・解説は読まずに終了)
- 月曜〜金曜に科目ごとに正解した問題を含めて解答解説・テキストの周辺箇所を読み込む。関連する項目の問題や過去問を解く。
- 土曜は予備日
勉強の習慣付けができますし、「次回の模試(自分で設定した実施日)までに、今回の模試の復習を終わらせて、もっと高い点数を取ってやるぞ」というモチベーション維持の効果まで見込めます。
私も実際、模試実施&復習でかなりレベルアップしましたし、モチベーション維持できました。
初見の問題対策ができる
過去問は解きすぎると問題と解答を覚えてしまうので、『初見の問題』に対応できる力が必要です。
模試では、過去問等をベースに「市販テキスト未掲載の予備校とっておきの独自問題」をたくさん解くことができるので、本当にお勧めです。
また、市販模試であれば、どれも1,500円〜2,000円程度で購入可能です。
「購入すべきオススメの市販模試」については、以下の記事をご覧ください。
取り組みは早いに越したことはありません!新しい参考書・問題集を買った日って、モチベーション上がりますしね(笑)
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科目別学習ポイント
科目別の出題傾向や学習ポイント、合格するための得点目安をお伝えします。
以下の科目から、科目名をクリックすると開閉します。
- 労働基準法
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概要
労働基準法は、労働法の基本となる法律です。社労士試験においても、一番最初に学習する科目です。
内容は、
- 労働時間、時間外労働
- 賃金
- 休暇
- 働く・働かせる上での基本ルール等
がメインであり、身近で理解しやすいのが特徴です。
逆に、受験生全員がやる気に満ち溢れた「学習し始めの時期」に勉強する科目なので、他の受験生に遅れを取らないよう、しっかりと知識を定着させる必要があります。
出題傾向身近な内容で読みやすく、テキストの内容自体も簡単そうに思えます。
しかし、選択式の出題は過去の重要判例の穴埋め問題があり、安定した得点源にするのは難しいです。
また、時間外労働に関する事例問題や、通達などからの出題もあるので、条文だけ抑えればOKという単純な科目ではなくなっているように感じます。
得点の目安・勉強の仕方択一式は10問中7問、選択式5問中3問が労働基準法からの出題です。残りは労働安全衛生法からの出題となります。
労働安全衛生法での得点はかなり難しいので、労働基準法だけで科目別基準点をクリアできるように基礎を押さえておきましょう。
得点目標- 選択式で2点(安衛法で+1点死守)
- 択一式で5点(安衛法で+1点取れたらラッキー)
判例や通達の対策ですが、判例を全て抑えるのは難しいです。重要判例については、市販模試の付録や通信講座の専用テキストを用いて行うのが効果的だと思います。
ただし、「判例は面白い」ので、時間を忘れて読み込んでしまいがちです。あくまでも条文をベースに判事されたことを念頭に、まずは条文理解を徹底しましょう。
過去問や模試を解いていくと、文章と選択肢(ダミーも含む)から、時間をかけて推理していくこともできるかもしれません。
- 労働安全衛生法
-
概要
労働安全衛生法は、労働基準法の安全衛生に関する部分を分離し独立した法律にしたものです。そこで、社労士試験では、労働基準法と合わせて出題されていると考えられます。
安衛法の試験範囲はかなり広く、全て押さえることはできません。
内容は、
- 安全衛生管理体制
- 機械等や有害物の規制
- 健康診断やストレスチェック
というものです。業種によっては身近ではないので、理解できない部分も多いです。
出題傾向条文以外からの出題が目立ちます。試験範囲がとても広いのに、出題数が「選択式2問、択一式3問」と少ないので、コスパの悪い科目です。
「こんなのテキストに載ってないよ〜」という問題は当たり前です。
社労士試験全体で見れば、安衛法に時間をかけるよりも、暗記系の年金科目を得点源とすることをお勧めします。
得点の目安・勉強の仕方試験範囲が広く、コスパの悪い科目です。ただし、選択式の2空欄中1問は、割と条文などの基本的内容で正解できることが多いです。
得点目標- 選択式で1点死守する
- 択一式で1点取れたらラッキー
これくらいの目標でいいと思います。なので、労働基準法で得点することが重要になります。
幸い市販のテキストが最重要項目だけをまとめた薄いものになっているので、それさえやっておけば十分です。
私は、合格した年に限っては、安衛法は捨て科目として、ほぼ手をつけませんでした(笑)
- 労働者災害補償保険法
-
概要
労働者災害補償保険法は、仕事中や通勤中の事故怪我病気の補償を行うものです。いわゆる「労災」です。
内容は、
- 業務災害・通勤災害
- 保険給付の内容
- 給付金額の決め方やルール等
です。いよいよ社会保険労務士の名称にもある通り「保険」の内容を勉強していきます。
保険の仕組みについては理解するのは少し大変ですが、この後にも「雇用保険」「健康保険」など、保険の仕組みの理解が重要になります。
出題傾向択一式では、「業務災害や通勤災害の事例(〇〇をしている最中にこんな事故があり、怪我をした。これは業務災害である。○か×か?)」みたいな問題が大問で1〜2問出題される傾向にあります。
また、脳血管疾患や精神疾患に関する事例問題も大問で1問出題される傾向にあります。
これらは確実に「考え方を理解」し自分で判断できるようになっておきましょう。
そのほか、保険給付に関する内容や給付基礎日額の計算、特別加入に関する出題もあります。「保険の仕組みの理解」が重要になります。
得点の目安・勉強の仕方選択式は5問全て、択一式は10問中7問の出題です。択一式の残り3問は労働保険料徴収法からの出題となります。
割と基礎的な内容の出題が多い印象です。「事例問題」の判断だけできるようにしておき、後は基礎を確実に固めましょう。
得点目標- 選択式で4点(基礎的内容なら5点)
- 択一式で4点(徴収法で+3点確保)
が目標です。基礎的な問題は取りこぼさないように注意しましょう。
- 雇用保険法
-
概要
雇用保険法はかなり身近に感じる方が多いと思います。ハローワークで給付をもらうという話は聞いたことがある人も多いと思います。
「失業給付」は失業者に対する所得保障の給付です。在職中に「雇用保険料」が天引きされるので、よくご存知かと思います。
また、近年では「育児休業給付」が雇用保険のメインの給付になってきています。これは名前の通り、育児休業中の所得保障の給付ですね。
社労士試験としては、
- 適用や賃金
- 基本手当その他の給付金
- 就職促進給付や教育訓練給付
- 育児休業給付等
が主な内容となります。
出題傾向雇用保険法の制度や性質上、「数字を問う出題」が多いです。また、給付の種類がかなり多いので、給付要件をテレコにしたり、給付名称を変えたりという問題も目立ちます。
数字問題が多いということはつまり「暗記科目」ということになります。
そして、素直に制度の内容や数字を問われる傾向にあり、暗記をすれば得点できることも多い為、得点源にできる科目と言われます。
得点の目安・勉強の仕方選択式では5問全問、択一式では10問中7問の出題です。択一式の残り3問は労働保険料徴収法からの出題となります。
得点目標- 選択式で3点(基礎的内容なら4点以上)
- 択一式で4点(徴収法で+3点確保)
くらいを目標にしましょう。
数字の出題や基礎的な内容は取りこぼしのないよう、きちんと暗記をすることが重要です。
選択式5問中5空欄全て数字の出題だった年もあるくらいです。
逆に、暗記をしていなければ「他の人が得点しているのに自分だけ解けない」なんて悲惨な事態になるかもしれません。
- 労働保険料徴収法
-
概要
労働保険料徴収法は、労災保険と雇用保険の保険料徴収や事務に関するルールをまとめたものです。
内容は、
- 保険関係の成立や消滅
- 保険料の申告・納付・徴収
- 労働保険事務組合
です。手続き関連をまとめた法律なので、実務に携わっていないと中々イメージし辛い科目です。
こういう手続きなんだなということで、理解しながら落とし込んでいく必要があります。
出題傾向手続き関係をまとめた法律なので、出題のアレンジがしにくいのでしょうか。「過去問で同じ問題見た気がする」という出題も多い印象です。
法改正も少なく、手続きの流れやルールを理解して暗記しておけば、間違いなく得点源にできます。
得点の目安・勉強の仕方選択式からの出題はなく、択一式は労災保険と雇用保険の枠からそれぞれ3問ずつ出題されます。
得点目標- 択一式は合計6問全て正解
過去問を繰り返し行い、基礎を固め、しっかりと暗記しておきましょう。試験範囲も広くないので、テキストの丸暗記でも正直対応可能かと思います。
- 健康保険法
-
概要
健康保険法は、会社に勤務する方ならよくご存知かと思います。会社員などは給与天引きにより保険料を納めます。
そして、業務中や通勤中は「労災保険」が適用されますが、それ以外の怪我病気について健康保険から給付が行われ「病院での自己負担3割」になるというものです。
社労士試験としては、
- 適用事業所・被保険者・被扶養者
- 標準報酬
- 保険料
- 各種給付・傷病手当金・高額療養費など
が主な内容となります。
出題傾向健康保険法は、得点源にしやすい科目です。過去問での既出論点が多い印象です。
労災保険や雇用保険同様、給付の種類が多いので、給付内容や制度をしっかりと区分して覚えておきましょう。数字を問う問題も多いです。
標準報酬や保険料関係についてもよく出題されます。事例で出題されることもあるので、考え方を理解しておきましょう。
また、被保険者や被扶養者の要件、全国健康保険協会や健康保険組合などの制度については、内容がややこしくて大変ですが、単純に暗記していれば得点できる部分なので、我慢して覚えておくべきです。理解が中途半端な状態で暗記もしていないとなると、選択式で出題された時の絶望感は半端じゃ無いので…
得点の目安・勉強の仕方選択式5問及び択一式10問の全てが健康保険法からの出題です。
得点目標- 選択式で3点(基礎的内容なら4点以上)
- 択一式で7点(他の科目の難易度次第で8点、9点が望ましいです!)
を目標にしましょう。
健康保険法はほぼ暗記科目なので、覚えていれば得点できる問題が多いです。数字問題や基礎的内容は取りこぼしのないように、きちんと暗記をすることが重要です。
得意科目にしている方も多いので、他の人が覚えているのに自分だけ得点できないとなると悲惨です。
また、選択式試験の難易度は年によってムラがある印象です。どの論点をピンポイントで5空欄あけられても、とりあえず3点は確保できるように満遍なく暗記しておくことが重要だと考えます。
- 厚生年金保険法
-
概要
老後の年金制度として、会社員なら存在自体は知っていると思います。ただ、どういう制度?将来どのくらいもらえるの?入らなきゃいけないの?といった疑問に間違いなく答えられますでしょうか。
社会保険労務士は「年金の専門家(年金に関する唯一の国家資格)」です。これらの疑問に答えられるよう、合格後も見据えて、知識を身につけていく必要があります。
社労士試験としては、
- 適用事業所・被保険者
- 被保険者期間・標準報酬
- 保険料
- 老齢厚生年金・特別支給の老齢厚生年金
- 障害厚生年金・障害手当金
- 遺族厚生年金
- 保険給付の通則・雑則・離婚分割など
が主な内容となります。
出題傾向年金科目は「得点源にしなければならない科目」です。
年金科目は理解するのが難しく、苦手意識を持っている方も多いです。労働基準法や労災保険法の事例と比べると単調でつまらないと思う方もいると思います。
きちんと理解して暗記しておけば「安定して得点できる科目」になります。労働法は知らない判例や通達から出題されればそれまでですが、年金科目は過去問の既出論点が出やすい傾向にある印象です。
出題傾向としては、以下の項目を重点的に理解しましょう。
- 老齢厚生年金
- 障害厚生年金
- 遺族厚生年金
細かい数字を選択式で問われることもあるので、注意して押さえます。
得点の目安・勉強の仕方選択式5問及び択一式10問の全てが厚生年金保険法からの出題です。
得点目標- 選択式で3点
- 択一式で7点
を目標にしましょう。
厚生年金保険法の選択式試験は、2点救済が割とよく入る科目です。なので、難易度は高めだと思ってください。
ただし、年金制度の理解と全体的な暗記により、毎日コツコツ年金科目に触れていれば、安定した得点源になります。
まずはメインとなる「老齢厚生年金」「障害厚生年金」「遺族厚生年金」をしっかりと理解しましょう。
メインの年金部分は『国民年金法』との絡みも多く、二階建年金の仕組みもあります。
最初は国民年金→厚生年金の順で取り組み、再度国民年金に戻ったときにようやく理解ができる内容です。
労働科目は難易度にバラツキがあり、得点がブレやすいです。年金科目は基本暗記科目なので、安定した得点源にしておくことが、合格のカギと言っても良いでしょう。
- 国民年金法
-
概要
国民年金は、全国民が対象となる年金制度です。二階建年金制度の一階部分にあたり、年金の基礎となります。
ちなみに、厚生年金は二階部分にあたり、会社員などが一階部分と合わせて加入することで、年金額を増やす仕組みとなっています。
社労士試験では、
- 被保険者の種類・取得喪失
- 保険料・納付・免除・追納
- 老齢基礎年金
- 障害基礎年金
- 遺族基礎年金
- 死亡一時金・寡婦年金・付加年金
- 給付の通則・雑則など
が主な内容となります。
出題傾向厚生年金保険同様「得点源にしなければならない科目」です。
国民年金と厚生年金保険の2科目は合わせて学習すると理解が深まります。
出題傾向は厚生年金保険の方が若干難しく感じる印象です。過去問の既出論点を押さえることが重要です。
年金科目は難化傾向にあるという話もありますが、基礎を理解して過去問をやり込むことと重要論点の暗記さえしていれば、安定した得点源にすることができます。
得点の目安・勉強の仕方選択式5問及び択一式10問の全てが厚生年金保険法からの出題です。
得点目標- 選択式で3点
- 択一式で7点
を目標にしましょう。
厚生年金保険同様、選択式試験は難しいです。
健康保険、厚生年金、国民年金は試験範囲が広く暗記箇所が多いので、「うわ〜、そこ出題してくるか〜」みたいな問題も多いです。きちんと暗記していれば5点確保も可能ですが、抜けていれば「2点で救済なし」なんてこともしばしばです。
まずはメインとなる「老齢基礎年金・付加年金」「障害基礎年金」「遺族基礎年金」「死亡一時金・寡婦年金」を押さえましょう。
その後に、保険料、給付の通則、雑則など過去問と合わせて基礎を理解していくと良いと思います。
- 労務管理その他の労働に関する一般常識
-
概要
いわゆる「労働一般」は、社会保険労務士として知っておくべき労働に関する一般常識が問われます。
が、実務家でも知らないことだらけです。
確実に満点を取れる対策はできないと思っておいた方が良いでしょう。
社労士試験においては、
- 労働契約法
- 男女雇用機会均等法
- 育児・介護休業法
- 労働者派遣法
- 労働施策総合推進法
- その他の助成金・通達・判例・白書・統計・調査など
が主な内容となります。
出題傾向社労士試験の難易度を上げている科目です。
高得点は期待せず、科目別基準点割れ(足切り)をしないことを目標にします。
概要で前述した法令関係など、テキストに載っている法令の概要理解と目的条文暗記は必須です。
労働契約法は択一式でかなりの頻度で出題されます。
また、法改正もよく出題されますので、該当年度の改正だけでなく、直近3年分くらいの法改正内容は整理しておくと良いでしょう。(直近の法改正の正しい時系列(順序)を問われたこともあります)
選択式は「何が出るか全く分からない」です。
実務寄りの問題が増えている印象を受けますので、実務をやっている方は、統計名称、各種助成金の名称や概要、法改正、各種制度のリーフレットやパンフレットも日頃から注意して見ておくと良いと思います。
得点の目安・勉強の仕方選択式は5問全て、択一式は10問中5問が労働一般からの出題です。択一式の残り5問は社会保険一般からの出題となります。
得点目標- 選択式で3点
- 択一式で2点(社会保険一般で+3点)
くらいを目標にすると良いでしょう。
しっかり対策していれば択一式の科目別基準点(10問中4点)は確保できると思います。
問題は「選択式で3点確保」です。これさえクリアできれば、この科目に関しては言うことなしです。
市販の白書・統計対策では、的を絞れないのでかなり効率の悪い学習となってしまいます。範囲が広すぎるので、満遍なく押さえるのは難しいです。
「一般常識対策」「白書・統計対策」に限っては、市販のテキストではなく、予備校の「直前対策パック」を利用することをオススメします。
- 社会保険に関する一般常識
-
概要
いわゆる「社会保険一般」は、社会保険労務士として知っておくべき社会保険に関する一般常識が問われます。
が、これもかなり細かい論点が多く、実務家でも知らない内容も多いです。
社労士試験としては、
- 国民健康保険法
- 介護保険法
- 確定拠出年金法
- 社会保険労務士法
- その他の法律・通達・白書・統計・調査・横断知識など
が主な内容となります。
出題傾向労働一般科目よりは若干得点しやすい方も多いと思います。
社会保険労務士法からは択一式で1問出題される傾向にあります。これは落とさないようにしましょう。
また、確定拠出年金または確定給付企業年金から1問と、国民健康保険または介護保険から1問も出題されやすいです。テキストに載っているメインの法律は出題されるものとして押さえておきましょう。
社会保障制度や厚生労働白書からの出題も増えています。日常のニュースでも、最近注目されている政策や社会情勢と社会保障との関連性から、狙われそうなヒントを探しましょう。
得点の目安・勉強の仕方選択式は5問全て、択一式は10問中5問が社会一般からの出題です。択一式の残り5問は労働一般からの出題となります。
得点目標- 選択式で3点
- 択一式で3点(労働一般で+2点)
くらいを目標にしましょう。
選択式は、各法令科目から抜粋しての出題も多いです。(国民健康保険から2空欄、介護保険から2空欄、確定拠出年金から1空欄など)
法令科目からの出題の場合、テキストに記載されているため、救済は入らないと思って必ず3点確保してください。
択一式は、労働一般と社会保険一般で統計問題の数にばらつきがあるので、法令問題は絶対得点するつもりで、基準点割れ(足切り)を回避してください。
対策としては、範囲がかなり広いので、あまり時間をかけ過ぎないことも重要です。他の科目が完璧なら良いですが…
テキストに載っている法令科目は最低限基礎を理解することと、白書統計・選択式対策は予備校の「直前対策パック」を利用することをオススメします。
科目ごとの出題傾向やクセを理解して、学習効率を上げよう!
まとめ
最後までご覧いただきありがとうございます。
今回の記事では、独学勉強法や注意点、科目別学習ポイントを詳しく書かせていただきました。
- 独学でも合格可能!ただし、効率良く勉強すべき
- 参考書はできるだけ少なく、最新版を買うべき
- オススメの勉強法は「過去問と模試をひたすら解く」
- 科目別学習ポイントまとめ
について、お話をさせていただきました。これから社労士試験の勉強を始める方にとって、少しでも力になれたら嬉しいです!