通勤災害における合理的な経路
問題
社労士試験の過去問から抜粋した一問一答形式の問題です。
正しければ「○」、誤りであれば「×」で解答を考えてみてください。
解答・解説
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正解 → 「×」
最短経路に限られません。
合理的な経路及び方法とは、通達より「当該移動の場合に、一般に労働者が用いるものと認められる経路及び手段等をいうものである」とされています。
合理的な経路として認められる例- 最短経路や最安経路ではないが、乗換回数が少ない(通いやすい)経路として会社に届け出ている通勤経路
- タクシー等を利用する場合で、通常経路が複数ある場合のすべての経路
- 道路工事やデモ行進等の交通事情による迂回路
- マイカー通勤者が貸切車庫を経由する経路
- 共稼労働者が託児所、親せき等にあずけるためにとる経路
通勤災害における通勤経路の考え方はしっかりと押さえておこう!
鉄道路線など本来歩いてはいけないような経路は、合理的とは判断されないよ!(当然だけど…)
通勤災害における「合理的な経路及び方法」の意義(S48.11.22基発644号)(抜粋)「合理的な経路及び方法」とは、当該移動の場合に、一般に労働者が用いるものと認められる経路及び手段等をいうものである。
① 経路については、乗車定期券に表示され、あるいは、会社に届け出ているような、鉄道、バス等の通常利用する経路及び通常これに代替することが考えられる経路等が合理的な経路となることはいうまでもない。また、タクシー等を利用する場合に、通常利用することが考えられる経路が二、三あるような場合には、その経路は、いずれも合理的な経路となる。また、経路の道路工事、デモ行進等当日の交通事情により迂回してとる経路、マイカー通勤者が貸切の車庫を経由して通る経路等通勤のためにやむを得ずとることとなる経路は合理的な経路となる。さらに、他に子供を監護する者がいない共稼労働者が託児所、親せき等にあずけるためにとる経路などは、そのような立場にある労働者であれば、当然、就業のためにとらざるを得ない経路であるので、合理的な経路となるものと認められる。
逆に、上に述べたところから明らかなように、特段の合理的な理由もなく著しく遠まわりとなるような経路をとる場合には、これは合理的な経路とは認められないことはいうまでもない。また、経路は、手段とあわせて合理的なものであることを要し、鉄道線路、鉄橋、トンネル等を歩行して通る場合は、合理的な経路とはならない。
② 次に方法については、鉄道、バス等の公共交通機関を利用し、自動車、自転車等を本来の用法に従って使用する場合、徒歩の場合等、通常用いられる交通方法は、当該労働者が平常用いているか否かにかかわらず一般に合理的な方法と認められる。しかし、例えば、免許を一度も取得したことのないような者が自動車を運転する場合、自動車、自転車等を泥酔して運転するような場合には、合理的な方法と認められない。なお、飲酒運転の場合、単なる免許証不携帯、免許証更新忘れによる無免許運転の場合等は、必ずしも、合理性を欠くものとして取り扱う必要はないが、この場合において、諸般の事情を勘案し、給付の支給制限が行われることがあることは当然である。
S48.11.22基発644号
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