一問一答

権限の委任

雇用保険,権限の委任,社労士
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問題

社労士試験の過去問から抜粋した一問一答形式の問題です。

正しければ「○」、誤りであれば「×」で解答を考えてみてください。

令和1年問4D

雇用保険法第38条第1項に規定する短期雇用特例被保険者に該当するかどうかの確認は、厚生労働大臣の委任を受けたその者の住所又は居所を管轄する都道府県知事が行う。

解答・解説

Q
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正解 → 「×」

誤った記述です。

短期雇用特例被保険者に該当するかどうかの確認は「公共職業安定所長」が行います。

まず、雇用保険法第38条に短期雇用特例被保険者の規定がされています。ここでは、原則的な規定として、第2項に「厚生労働大臣が行う」と規定されています。

しかし、厚生労働大臣が直接的な権限を持っていても、具体的な事務を行うのはいわゆる現場(公共職業安定所(ハローワーク)等)です。そこで、例外として、別途、権限の委任事務の委託に関する定めがされています。

具体的には、雇用保険法第81条に権限の委任に関する規定がされています。

権限の委任

① 厚生労働大臣 → 都道府県労働局長

② 都道府県労働局長 → 公共職業安定所長

※規定上は二段階で公共職業安定所長に委任されています。

このように、実務上スムーズに対応できるよう、委任規定によって、本問の確認については、「公共職業安定所長が行う」ことになります。

ちょこシャロくん
ちょこシャロくん

複数の条文や施行規則が絡むので少しややこしいね…

関連問題として、事務の委託について次の問題も解いてみましょう。

事務の委託
事務の委託

実際の条文でも確認しておきましょう。

雇用保険法第38条(抜粋)

1 被保険者であつて、季節的に雇用されるもののうち次の各号のいずれにも該当しない者(第四十三条第一項に規定する日雇労働被保険者を除く。以下「短期雇用特例被保険者」という。)が失業した場合には、この節の定めるところにより、特例一時金を支給する。

 四箇月以内の期間を定めて雇用される者

 一週間の所定労働時間が二十時間以上であつて厚生労働大臣の定める時間数未満である者

 被保険者が前項各号に掲げる者に該当するかどうかの確認は、厚生労働大臣が行う。

 短期雇用特例被保険者に関しては、第二節(第十四条を除く。)、前節及び次節の規定は、適用しない。

雇用保険法第81条(抜粋)

1 この法律に定める厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、その一部を都道府県労働局長に委任することができる。

 前項の規定により都道府県労働局長に委任された権限は、厚生労働省令で定めるところにより、公共職業安定所長に委任することができる。

雇用保険法施行規則第1条(抜粋)

1 雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号。以下「法」という。)第八十一条第一項の規定により、法第七条、第九条第一項、第三十七条の五第一項、第二項及び第四項並びに第三十八条第二項の規定による厚生労働大臣の権限は、都道府県労働局長に委任する。

 前項の規定により都道府県労働局長に委任された権限は、法第八十一条第二項の規定により、公共職業安定所長に委任する。

 雇用保険に関する事務(労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則(昭和四十七年労働省令第八号)第一条第一項に規定する労働保険関係事務を除く。以下同じ。)のうち、都道府県知事が行う事務は、法第五条第一項に規定する適用事業(以下「適用事業」という。)の事業所の所在地を管轄する都道府県知事が行う。

 雇用保険に関する事務のうち、都道府県労働局長が行う事務は、厚生労働大臣の指揮監督を受けて、適用事業の事業所の所在地を管轄する都道府県労働局長が行う。

 雇用保険に関する事務のうち、公共職業安定所長が行う事務は、都道府県労働局長の指揮監督を受けて、適用事業の事業所の所在地を管轄する公共職業安定所(厚生労働省組織規則(平成十三年厚生労働省令第一号)第七百九十三条の規定により当該事務を取り扱わない公共職業安定所を除く。以下同じ。)の長(次の各号に掲げる事務にあつては、当該各号に定める公共職業安定所長)が行う。

 法第十四条第二項第一号に規定する受給資格(以下「受給資格」という。)を有する者(以下「受給資格者」という。)、法第三十七条の三第二項に規定する高年齢受給資格(以下「高年齢受給資格」という。)を有する者(以下「高年齢受給資格者」という。)及び高年齢求職者給付金の支給を受けた者であつて、当該高年齢受給資格に係る離職の日の翌日から起算して一年を経過していないもの(第五号において「高年齢求職者給付金受給者」という。)、法第三十九条第二項に規定する特例受給資格(以下「特例受給資格」という。)を有する者(以下「特例受給資格者」という。)及び特例一時金の支給を受けた者であつて、当該特例受給資格に係る離職の日の翌日から起算して六箇月を経過していないもの(第五号において「特例一時金受給者」という。)並びに法第六十条の二第一項各号に掲げる者について行う失業等給付(法第十条第六項に規定する雇用継続給付を除く。以下この号及び第五号において同じ。)に関する事務、法第三十七条の五第一項の申出をして高年齢被保険者となつた者(以下「特例高年齢被保険者」という。)について行う雇用保険に関する事務(失業等給付に関する事務並びに法第六十二条及び第六十三条の規定による事務を除く。)並びに法第四十三条第一項に規定する日雇労働被保険者(以下「日雇労働被保険者」という。)について行う同項第四号の認可に関する事務、法第四十四条の規定に基づく事務及び法第五十四条の規定による日雇労働求職者給付金の支給に関する事務 その者の住所又は居所を管轄する公共職業安定所(以下「管轄公共職業安定所」という。)の長

 法第五十六条の三第一項第二号に規定する日雇受給資格者(以下「日雇受給資格者」という。)について行う就業促進手当の支給に関する事務 同号の安定した職業に係る事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長

 日雇労働被保険者について行う法第四十三条第二項の規定に基づく事務 その者が前二月の各月において十八日以上雇用された又は継続して三十一日以上雇用された適用事業の事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長又は管轄公共職業安定所の長

 第十条第三項に基づく事務及び日雇労働被保険者について行う法第四十五条の規定による日雇労働求職者給付金の支給に関する事務 その者の選択する公共職業安定所の長(厚生労働省職業安定局長(以下「職業安定局長」という。)が定める者にあつては、職業安定局長の定める公共職業安定所の長)

 法第十条の三第一項の規定による失業等給付の支給を請求する者について行う当該失業等給付に関する事務 当該失業等給付に係る受給資格者、高年齢受給資格者(高年齢求職者給付金受給者を含む。)、特例受給資格者(特例一時金受給者を含む。第八十二条の三第二項第二号において同じ。)、日雇労働被保険者又は教育訓練給付金の支給を受けることができる者の死亡の当時の住所又は居所を管轄する公共職業安定所(以下「死亡者に係る公共職業安定所」という。)の長

雇用保険法第38条、第81条、雇用保険法施行規則第1条

ちょこシャロくん
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社労士実務においては、諸手続きの提出先・問い合わせ先が「都道府県労働局」「労働基準監督署」「公共職業安定所」「年金事務所」「協会けんぽ」「健康保険組合」等のどこなのかを把握しておくことで、スムーズに業務を行うことができるよ!

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社会保険労務士(有資格者)
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